会計・経理研究

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公認会計士が事業会社経理に転職する際に注意すべきポイントは?

現在、公認会計士試験に合格した方の10人に1人程度が監査法人以外に就職しているようです。

私も経理職への転職活動を行った際、面接を担当してくれた方の多くが公認会計士さんでしたし、多くの事業会社で公認会計士さんを受け入れている状況のように感じられました。

今回は公認会計士が事業会社に転職する際に注意すべきポイントについてまとめます。

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会社選択はしっかりと考えた方が良いです。

収入が高くなる業種

年収や昇給の観点から言わせていただきますと、メーカーのバックオフィス部門とメーカー以外(サービス、IT,金融など)のバックオフィス部門では後者の方が圧倒的に年収が高い傾向にあります。

私はメーカーの経理をやっておりましたが、転職活動で別業種の会社を受けた際に、入社した場合の年収を聞いたときがあるのですが、転職後200万円もUPすると言われました。

殆ど同じような仕事をする場合でも、業種によって大きく年収が異なっているのです。

後々後悔しない為にも、業種選びはしっかり考えた方がいいと思います。

幅広い業務に従事したい場合は?

会計士試験の試験科目に管理会計原価計算などが含まれていることから、メーカーで働き、学んだ事を活かしたいと考える方もいるでしょう。

確かに、原材料の調達から組み立て(仕掛品管理)、販売の流れを数字で追いかけるのは非常に楽しいですので、遣り甲斐のある業務です。

もしメーカーで働きたいのであれば、情報サービスや金融サービスなどの事業もおこなっている企業を選ぶのがお勧めです。

メーカー一本の企業よりも年収が高くなる傾向があります。

年収については面接時にきちんと聞いておくべきです

よく求人に400万円~700万円のような非常にギャップの大きな年収が書かれている場合があります。こうした場合は、上限や下限の金額に着目するのではなく、面接時に自分がもらえるであろう金額を質問するのが大事です。

日本人の性格的にこのような質問をしづらいかもしれませんが、年収UPは転職の大きなモチベーションに繋がるので、どんどん聞いていいと思います。逆に、そのような質問をしたからと採用を見送るような企業は、転職せずに済んでよかったと考えた方が良いと思います。

 

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公認会計士が採用されやすい企業は?

つぎは公認会計士の需要のある業種についてまとめていきます。

難関の国家資格があればどこでも採用されそうですが、日本国内には古い体質の企業も多く、そこまでスムーズではないです。

上場会社の中でも規模の大きい企業

上場会社は財務諸表の公開をする必要があるため、会計基準の改正についていけること、金融商品取引法に詳しいこと、そして監査法人側の手の内を知っていることに価値を理解しています。

ですので、上述した内容をうまくアピールしたならば、採用に繋がりやすいものと思われます。

しかし、ここで気を付けていただきたいのは上場会社でも、中小並みの規模、そしてかなり古い体質の企業です。

こうした企業はバックオフィス部門の価値を低く考えがちです。

また、年功序列的な構造なため、資格という要素で組織内のバランスを崩す要素を入れたがりません。

 

スタートアップ企業や株式公開準備中の企業

創業してから数年しか経っていない企業や、株式公開準備中(IPO)の企業は、社内の会計システムを構築する必要から、公認会計士等の幅広い知識を持っている方を求めます。

多くの業務に関わることへのモチベーションや、コミュニケーション能力を示すと採用されやすいと思われます。

 

転職エージェントを利用するなら、会計分野に特化しているところがお勧めです。

会計分野に絞った求人を取り扱っているエージェントには、自然と良い案件が集まります。また、担当者との面接の際も、業務に関して理解してもらいやすく、自分に合った会社を紹介してもらいやすくなります。

逆に、狙っている会社に対して適切にアピールをしてもらえますので、お勧めです。

 

 

 

転職後に就くポジションにも注意しましょう

大学卒業後に事業会社に就職した場合、当然経理として働いた経験はゼロです。

事業会社で円滑に働けるようになるにはそれなりの時間を必要としますが、公認会計士を採用した側がその辺の事情を汲んでくれるかどうかは不明です。

他の会計士が先に就職していたり、直属の上司が会計士だったりした場合、下積み期間のプレッシャーが半減されると思われます。

 

転職後、監督者の立場に置かれるのならば、部下に経理事情に詳しい人がいるかどうかがポイントになります。

事業会社経理部の監督者の業務と監査法人での監査はやることが似ているように思われるかもしれませんが、かなり違っています。

重要性の基準などの適用から、やや大雑把な見方になる監査とは異なり、経理ではかなり細かく合わせる必要があります。長く経理で働いて来た方の協力が不可欠となるでしょう。