経理・税務に必要とされるスキル(能力)を一部上場企業経理マンが紹介します! 転職などの為にキャリアアップしたい人必見
私が経理部に配属されて八年間が経過しました。
運の良いことに、連結会計、企業結合、法人税計算、退職給付会計・原価計算など、重要な業務に関わらせていただきまして、部内でもそれなりに発言力を持てるようになりました。
今回は私が経理部で働いている中で必要と思ったスキルを幾つか紹介しようと思います。
キャリアアップを考えている方は是非読んていって下さい。
経理業務おけるキャリアとは?
まず初めに、経理に携わる者にとってのキャリアについて説明します。
キャリアとは業務経験を差します。つまり、〇〇の業務を経験したことで、今後同様の業務を問題なく行えることです。
経理ではこのように、経験の価値がもの凄く高いんです。
経理部などは製造や営業からバックオフィスだからと舐められやすい部門ですが、実際やっている内容はかなり専門的です。一部の業務に至っては、対応不可能な人間もいるでしょう。
その一部の業務とは、連結会計・M&A・税金計算・原価計算・有価証券報告書&短信作成・SAPにおける設定・会計基準&税制改正への対応
この辺りではないかと考えております。
これらの業務で培われたスキルが転職する際や、監督者になった際に非常に有効になるんです。
キャリアを上げる為にはどうするのか?
経理業務の中には、上述したような重要な業務がある一方、さほど重要ではない業務もあります。
例えば、入社(または移動)してすぐの社員が任されるのは日常業務で発生する取引に関する仕訳や、そのチェック、または売掛金管理、固定資産管理のような定型的な業務です。
だいたいこのような業務は、よほど酷い会社でなければちゃんとしたマニュアルがあり、誰がやってもすぐに一定レベルの質になります。
言い換えれば、”その人物じゃなくてもいい”業務なんです。
こうした業務ばかりをしているのでは、転職する時に結構苦労するでしょう。
経理部に配属した時に、上述したような業務を行うための知識がないのであれば、簿記などの勉強をし、上司との面接でしつこくモチベーションを示す必要があります。
業務ローテーションが機能しない場合
経理部で扱う業務は、専門的なだけでなく、会社独自のアレンジが加わっていることが殆どです。一癖も二癖もあるような業務については役職者ですらも把握出来なくなっている場合があり、担当者を外すことに消極的になります(担当者自身、自分のポジションを守る為にわざと分かり辛くする事もある感じですね)。
運が悪ければ、いつまで経っても重要な業務を経験することが出来ず、スキルが上がりません。
そうした場合、外に目を向けてもいいかもしれません。
自分がやりたい業務の担当者を探す企業に採用されたら、すぐに、目当ての仕事が出来ますし、キャリアを築けます。
転職に成功する為には、経理で経験した業務のうち、その企業で活かせそうな内容、そして簿記資格などをアピールしましょう(2級は必要だと思われます)。
経理で必要とされるスキルとは??
非常に浅い事を言ってしまうと、資格を保有しておくのが強いです。
簿記、TOEIC、税理士試験やその科目合格などが転職や内部評価で有利に働くでしょう。
実際、資格を持っている人は能力が高いですよね。
でも実際後輩などとに働いてみると、資格の有無よりも本人の能力に左右されるところも大きいと感じます。
以下では、上にあげた資格意外で必要と思ったスキルを挙げてみます。
文章読解力
経理・財務系の業務では会計基準やその解説書(またはネット情報)、会計士からの長文メールなどを読まなければならない事が非常に多いです。
なので、専門的な文章が読めないのは非常に不利になります。
数字に対する耐性
経理の業務はエクセルにまとめられた資料、会計ソフトに貯まったデータ等をひたすらチェック&加工する作業が多いです。
来る日も来る日も合わない数字について考え続ける事もあり、私は何度か数字酔いのような状態に陥りました。
PC系スキル・理解力
これはほぼ必須と言って良いと思います。
バックオフィス業務に金をかけないような会社ですと、Excelなどで殆どの業務を管理していたりしておりまして、Excel知識の有無により、効率が大幅に変わります。
また、SAP(=ERP)等の高価な会計ソフトを利用している会社では、勘定科目設定や各業務用の機能の追加のために高い専門性を必要とします。
IT畑の方でも経理部に移動してくる事もありますし、PC系のスキルはどのような会社の経理にも需要があると思われます。
分析力
経理全般の業務で共通しているのは、数字の中から異常値をみつける事だと思っています。
異常値を見つけられない場合、不正確な数字を世の中に発表する事に繋がり、会社全体のリスクになります。
そのため、異常値を発見する分析力が必要になると思っています。
おかしなデータが、他の人間に起因する場合はその人に対して、数字を正す為に説得をしなければなりません。納得させるために充分な分析をしてまとめる等のマメさも必要だと思われます。
段取り能力
他の職種でもそうかもしれませんが、経理業務を遂行するためには、スケジュール管理が非常に大事です。例えば、連結業務では親会社の計算書だけでなく、全ての子会社の計算書を回収しなければなりません。ですので、事前に締め切りを決め、それまでに計算書を作成してもらい、修正箇所を見つけ、伝えて……と、非常に多くの作業が必要になります。無計画には絶対に出来ない業務ですね。
連結会計だけでなく、全ての業務において、このような計画作成が重要です。
最後に
長々と書きましたが、経理職としてキャリアアップからの給与アップを目指すのであれば、重要な業務を経験するのが一番の早道です。
会社にとって代えのきかない者になるため、積極的に自らのスキルをアピールしましょう。
上にあげたスキルが既に備わっている、または重要な業務を経験しているのに、評価されないのでしたら企業側の体質に問題があると思われます。
転職も考慮していいかもしれませんね。
世の中にはどのような待遇の会社があるのか知れるという意味でも、外の会社を見てみると楽しいですよ。